「またイライラして、大切な人にきつくあたってしまった…。」そんな後悔を、生理前になると繰り返していませんか?
感情の波に飲まれて、自分でもどうにもできない時ってありますよね。「私ってダメだな」と責めたくなる気持ちも、きっと誰にでもあると思います。
でもそれは、あなたのせいではありません。
生理前に感情が不安定になるのは、女性ホルモンの変化による“体の反応”のひとつ。
この記事では、生理前のイライラの仕組み、人に当たってしまう原因、それを減らすための具体的なセルフケア法を、わかりやすくご紹介します。
少しでも気持ちがラクになり、自己嫌悪から解放されるきっかけになれば幸いです。
生理前にイライラしてしまうのはなぜ?
ホルモンの急変化による「心の嵐」
生理前は、プロゲステロンというホルモンが急激に増えます。
このホルモンは体にとって必要なものですが、脳の神経伝達物質のバランスを崩してしまうことがあります。
特に、心の安定に関わる「セロトニン」が減少するため、イライラ・不安・怒りといった感情が強く出やすくなるのです。
つまり、あなたの性格が悪いわけではなく、ホルモンという“見えない変化”が影響しているということ。
まずはそれを知っておくだけでも、自分への見方が少し変わってくるかもしれません。
「PMS」や「PMDD」の可能性も
生理前の症状が生活に支障をきたす場合、それはPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)かもしれません。
以下のような症状がある方は要注意です。
- いつも同じ時期に怒りっぽくなる
- 人との会話で感情的になりやすい
- 急に涙が出たり、自分を責めたりする
- 仕事や学校に行く気力がなくなる
このような状態が毎月繰り返される場合、ただの「気のせい」ではありません。
しっかりとケアしていく価値があります。
なぜ人に当たってしまうの?
感情を処理しきれず「外に出る」
人に当たってしまう理由のひとつは、「感情のキャパオーバー」です。普段なら心にしまえるようなことも、生理前は受け流す力が弱まってしまいます。
その結果、相手のちょっとした言葉や態度に敏感になり、イライラが爆発することがあるのです。
特に家族やパートナーなど、安心できる存在ほど、気持ちをぶつけやすくなってしまいます。
それは「甘えている証拠」であり、「信頼しているからこそ」でもあるのです。とはいえ、毎回そうなるのはつらいし、後悔も残りますよね。
だからこそ、次からは少しでも「その前に気づける」ように、自分のパターンを知っておくことが大切です。
生理前のイライラとうまく付き合う方法
感情日記をつけてみる
まずは自分の感情の波に気づくことから始めましょう。カレンダーやアプリを使って、生理日とイライラした日を記録するだけでもOK。
「このあたりでイライラしやすい」と分かれば、予防や準備ができるようになります。「怒って当然の時期だったんだ」と思えれば、自分を責める気持ちも和らぎます。
一度深呼吸。すぐに反応しないクセを
イラッとしたら、すぐに言葉や態度で返すのではなく、一度「間」を作ってみましょう。
おすすめは「4秒吸って、8秒かけて吐く」深呼吸。気持ちが静まりやすくなり、感情に支配される前に立ち止まることができます。
たった数秒の呼吸でも、冷静さを取り戻すきっかけになるのです。
人と距離をとる時間をつくる
生理前は、ひとりの時間を意識的につくることも大切です。
いつも通りに接しようとして無理をすると、余計にストレスが溜まり、爆発の原因になります。
「今日は静かに過ごしたい」「連絡は明日でもいいかな」そんなふうに、自分のために優先順位を変えていいのです。
軽めの運動やストレッチでストレス発散
生理前でもできる程度の軽い運動(ウォーキング・ストレッチ・ヨガなど)は、ストレス解消に効果的です。
体を動かすことで、幸せホルモンの「セロトニン」が分泌されやすくなります。気持ちが落ち着き、心の余裕が戻ってくることもあります。
激しい運動をする必要はありません。
“ちょっと体を動かす”ことがポイントです。
食事を整えて心の栄養を補う
PMS対策におすすめの栄養素を取り入れることで、ホルモンバランスが整いやすくなります。
- ビタミンB6(マグロ、鶏むね肉、バナナ)
- マグネシウム(ナッツ類、玄米、豆腐)
- トリプトファン(納豆、卵、チーズ)
コンビニでも買える食材ばかりなので、手軽に始められます。
甘いものが欲しくなる時期ですが、血糖値の乱高下は気分の乱れにもつながるため、できるだけ控えめに。
「当たりそう」と感じたら、ひとこと伝える
大事な人には、「生理前でちょっとイライラしてるかも」と素直に伝えてみましょう。
「今日は少し気持ちに余裕がなくて…」と伝えるだけでも、理解が得やすくなります。
完璧に感情をコントロールする必要はありません。小さなクッションを置くだけで、関係性の衝突をやわらげることができます。
我慢しすぎず、婦人科に頼る勇気を
もし「毎月同じようにイライラして人間関係がつらい」と感じるなら、一度婦人科を受診してみましょう。
漢方や低用量ピルなど、体の状態に合った治療法があります。
また、必要に応じて心療内科やカウンセリングの紹介を受けることも可能です。あなたが楽に生きられるために、専門家は必ず力になってくれます。
自分を責めないで
怒りやイライラは「悪いこと」ではありません。それは、あなたの体が一生懸命バランスを取ろうとしているサイン。
感情は波のようにやってきて、やがて引いていきます。
その波の中にいる自分を、責めるのではなく、いたわること。それが本当の「自分を大切にする」第一歩です。
おわりに
生理前のイライラで人に当たってしまうのは、誰にでも起こり得ることです。そしてそれは、あなたの性格ではなく、体の仕組みによるもの。
まずは、「そんな自分でもいい」と思えることから始めてみましょう。
この記事が、そのためのヒントになれば嬉しいです。ひとりで抱えず、必要なときは誰かを頼ってくださいね。
あなたが少しでも穏やかに、心地よく過ごせる時間が増えますように。