下着の締めつけで性器(陰部)が痛くなる…放置すると悪化する場合も

「下着がきつくて性器が痛い気がする」「夕方になると擦れてヒリヒリする」「これって病気なの?」…そんなふうに感じたことがある方は少なくありません。

実は、デリケートゾーンの痛みは、日常のちょっとした衣類の選び方が原因になっていることがあります。

けれども、誰にも相談できずに悩んでいる方も多いのが現実です。

この記事では、下着による締めつけで性器が痛くなる原因と、具体的な解決策をやさしくお伝えします。

痛みを我慢せず、自分の身体を大切にするきっかけになりますように。

下着の締めつけが性器に与える影響

まずは「なぜ下着で性器が痛くなるのか」を医学的に解説していきます。

下着が原因で起こる主な症状は以下の通りです。

  • デリケートゾーンの皮膚がこすれて赤くなる
  • 下着の縫い目が当たってヒリヒリする
  • 長時間の締めつけで血流が悪くなり、痛みやかゆみが出る
  • 化学繊維や合成素材によるかぶれや湿疹

特にナプキンやライナーを長時間使用していると、湿度や摩擦がさらに増すため、皮膚への負担も大きくなります。

間違った下着選びが引き起こすリスク

一見可愛くておしゃれな下着でも、以下のような特徴があると、デリケートゾーンには負担になります。

  • サイズが合っていない(小さめ)
  • レースや装飾が多い
  • 合成繊維で通気性が悪い
  • ウエストゴムが強く、股関節を締めつけている

締めつけが強いと、膣まわりや外陰部にある細かい血管や神経が圧迫され、慢性的な痛みや違和感を引き起こすこともあります。

また、きつい下着をつけ続けていると、骨盤の位置がずれたり、姿勢が悪くなったりすることで、間接的に性器まわりの不快感が増す場合もあります。

痛みを感じやすいのはどんなとき?

以下のようなタイミングでは、痛みが強く感じられやすくなります。

  • 生理前後の敏感な時期
  • 長時間座っているデスクワークの日
  • 蒸し暑い季節や汗をかいたあと
  • 排卵期など、ホルモンバランスが揺らぐ時期

生理周期により粘膜や皮膚の感受性が高くなるため、普段は気にならない下着の摩擦でも「痛い」と感じやすくなります。

痛みを減らすための下着選び

では、どんな下着を選べば痛みが軽減されるのでしょうか。

ここでは、体にやさしい下着選びのポイントをお伝えします。

天然素材(綿など)を選ぶ

→ 通気性が良く、肌にやさしいため、かぶれや湿疹を防げます。

サイズは余裕のあるものを

→ 締めつけを感じない程度にフィットする下着が理想です。

縫い目がフラットなデザインを選ぶ

→ 摩擦を減らし、長時間の使用でも痛みを防げます。

締めつけが少ないウエストゴムや足口

→ 血流の流れを妨げないことで、痛みやだるさも軽減します。

シンプルで飾りが少ないものを

→ レースやリボンの装飾は刺激となりやすく、日常使いには不向きです。

「気のせい?」と思わず受診してほしいサイン

下着による締めつけが原因ではなく、病気が隠れていることもあります。

以下のような症状がある場合は、我慢せず婦人科を受診してください。

  • 痛みが数日以上続く
  • ヒリヒリだけでなく、膿や異常なおりものが出る
  • 性交痛がある
  • 歩くのもつらいほど痛みが強い
  • 見た目が赤く腫れている、しこりがある

性感染症や外陰炎、バルトリン腺炎などの可能性もあるため、早期の受診が安心です。

恥ずかしがる必要はありません。

医師は毎日のようにこうした症状に向き合っています。

ストレスが関係していることも

体の痛みと心の状態は、深くつながっています。

特に女性の場合、ストレスや不安が続くと、自律神経のバランスが乱れ、血行不良や筋肉の緊張が起こります。

その結果、股関節まわりや骨盤周辺の筋肉がこわばり、違和感や痛みを感じやすくなることがあります。

「私って過敏すぎるのかな?」と自分を責める必要はありません。

心と体の両方をいたわることが大切です。

時には、カウンセリングやストレッチ、アロマなど、自分をゆるめる時間もとってみてください。

痛みの少ない暮らしのためにできること

1日の終わりに下着を脱いだとき、スッと楽になる。

そんな感覚があるなら、体はすでに「しんどい」とサインを出しているのかもしれません。

できることから始めてみましょう。

  • 自分に合った下着を探す
  • 締めつけを感じたらすぐに脱ぐ
  • 痛みや違和感はメモしておく
  • 症状が続くなら婦人科で相談する
  • 心も体もリラックスできる時間をもつ

自分の体を大切にすることは、毎日の快適さにつながります。

小さな違和感も、放っておかずに気づいてあげましょう。

おわりに

「こんなことで病院に行っていいのかな」「誰にも言えなくて恥ずかしい」そう思ってしまうのは無理もありません。

でも、あなたの痛みは「ちゃんと理由がある」ものです。

そして、それを我慢しないことは決してわがままではありません。

この記事が、あなたの不安を少しでも軽くし、毎日をもっと快適に過ごすきっかけになりますように。

体も心も、自分らしく大切にしていきましょう。