「朝、起きたらお腹がズキズキして立ち上がれない…」「生理が来ると決まって吐き気と腰痛でベッドから動けない…」そんな悩みを抱えている10代〜20代の女性は少なくありません。
生理痛は個人差が大きく、軽い人もいれば、学校や職場に行けないほどつらい人もいます。
この記事では、「生理痛がひどくて日常生活に支障が出ている人」に向けて、なぜ生理痛が重くなるのか、どう対処すればよいのか、学校や職場ではどう伝えればいいのかなど、具体的な解決策をわかりやすく紹介します。
生理痛がひどくなる理由とは?
生理痛(医学的には月経困難症)は、主に子宮が収縮することによって起こる痛みです。
経血を体外に押し出すために子宮内でプロスタグランジンという物質が分泌されますが、これが多すぎると子宮の収縮が強くなり、結果として痛みや吐き気、腰痛、頭痛などを引き起こすのです。
また、生理痛が重くなる背景には以下のような原因もあります。
- 体が冷えて血流が悪くなっている
- 睡眠不足やストレスでホルモンバランスが乱れている
- 子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科系疾患が隠れている可能性
これらが組み合わさることで、通常よりも強い生理痛を引き起こしてしまいます。
ひどい生理痛をやわらげるためにできること
まずは、自分でできるセルフケアから始めてみましょう。毎月の生理を少しでもラクに乗り切るために、多くの人が実践している方法を紹介します。
身体を温める
お腹や腰にカイロを貼ったり、湯船に浸かって体を芯から温めることで、血流が改善され痛みがやわらぐことがあります。特に下半身を冷やさないことが大切です。
市販の鎮痛薬を上手に使う
ロキソニンやイブなど、市販の痛み止めを使うことで生理痛はかなり軽減できます。痛みが出る前や初期段階での服用が効果的で、ガマンせずに早めに飲むことがポイントです。
ただし、用法・用量を守り、長期間常用しないように注意するが必要があります。
食生活を見直す
加工食品や糖分の多いものばかり摂っていると、体内の炎症が悪化し生理痛が重くなる傾向があります。
鉄分・ビタミンE・マグネシウムを含むバランスの良い食事を意識しましょう。ナッツ類や青魚、緑黄色野菜が特におすすめです。
適度な運動を取り入れる
生理中に激しい運動はつらいかもしれませんが、日頃から軽いウォーキングやストレッチなどを習慣化しておくと、血流改善やストレス緩和につながります。
学校や職場を休みたい時、どう伝えればいい?
「生理が理由で休むのは甘えだと思われるかも」と不安に思う人も多いですが、無理して体調を悪化させてしまっては本末転倒です。
最近では「生理休暇制度」がある企業も増えてきています。制度がなくても、「体調不良」として正直に伝えることで、無理せず休むことができます。
学生の場合も、担任の先生や保健室の先生に「お腹が痛くて動けない」と正直に伝えることが大切です。無理に登校・出勤するよりも、しっかり休んで体を回復させることの方がずっと重要です。
それでもつらい時は婦人科へ
生理痛があまりにも重い場合、単なる体質ではなく「病気」が原因になっていることもあります。
特に以下のような症状がある場合には、婦人科の受診を検討しましょう。
- 毎月、生理のたびに寝込んでしまうほどの痛み
- 痛み止めが効かない
- 経血量が異常に多い
- 出血が長引く、または不正出血がある
- セックス時に痛みがある
これらは「子宮内膜症」「子宮筋腫」「卵巣嚢腫」などのサインかもしれません。早期発見・治療が何よりも大切なので、勇気を出して病院に相談してみましょう。
ピルの活用も選択肢のひとつ
最近、生理痛を軽減するために低用量ピルを使う若い女性も増えています。
ピルには排卵を抑え、ホルモンバランスを整える効果があり、生理痛の軽減や周期の安定、PMS(月経前症候群)の緩和にもつながります。
避妊のためだけでなく、生理に関する悩みの軽減にも使えるので、婦人科医と相談しながら検討してみるのも良いでしょう。
周りに理解してもらうには?
生理痛のつらさは見た目では分かりづらく、なかなか他人には理解されにくいものです。でも、だからこそ「私はこういう時にとてもつらい」と具体的に説明することが大切です。
身近な人に伝えることで、サポートを得やすくなり、自分自身も気持ちが軽くなります。また、最近ではSNSなどで同じ悩みを持つ人とつながることもでき、孤独感を和らげる手段にもなります。
まとめ:無理しないで、自分を大切に
生理痛がひどくて学校や仕事に行けないことは、決して「怠けている」わけではありません。体がSOSを出している証拠です。
痛みをガマンし続けるのではなく、自分の身体と向き合い、適切な対処をしていくことが何よりも大切です。
セルフケアを実践し、必要であれば医療機関を受診する。そうすることで、生理と少しずつ上手に付き合っていけるようになります。
「つらい」と感じた時は、誰かに相談してみることから始めてみましょう。あなたがひとりで悩まなくてもいいように、この記事が少しでも役に立てば幸いです。