生理の血が黒い…1日目・2日目・3日目・4日目ごとの原因

生理の経血の色がいつもと違うと感じて心配になる方は少なくありません。

この記事では、産婦人科医の知見をもとに、「黒い経血」が生理の何日目に起こるかによって違う原因や体のサインを、医学的な根拠をもとにやさしく解説します。

また、受診すべきサインや、自分でできるセルフケア方法もご紹介します。

あなたの不安を少しでも軽くし、体と心に安心を届けられる内容になっています。

なぜ生理の血が黒くなるの?

血液が黒く見える主な理由

黒い経血は、体の中で古くなった血液が酸化している状態です。時間が経った血液は赤から茶色、さらに黒っぽく変色します。

これは多くの場合、生理の自然なプロセスの一部であり、必ずしも異常ではありません。

黒い血はどこから来る?

子宮内膜がはがれ落ちて血液とともに排出されるとき、体外に出るまでの時間や、血液の量、子宮の収縮力によって、出血のスピードに差が出ます。

出るまでに時間がかかった血液は、空気や体内で酸化し、黒っぽくなることがあります。

また、血液が他の粘液と混ざることで色が濃くなることもあります。

生理1日目の黒い経血

生理が始まる直前やごく初期には、少量の古い血液が出ることがあります。

これは前回の生理の残りや、子宮内膜の剥がれ始めによって出るもので、特に異常ではありません。

よくある特徴

  • 量が少ない
  • おりものに混ざったような茶色〜黒
  • においが強くない

ストレスや生活習慣の乱れがあっても、1日目に黒い経血が出ることはよくあるので、過剰に心配する必要はありません。

生理2日目の黒い経血

2日目は通常、経血量がもっとも多くなる日。

それにもかかわらず黒い血が続く場合は、血の流れが悪くなっている可能性があります。

考えられる原因

  • 子宮の収縮力が弱く、血がたまりやすい
  • 運動不足や冷えによる血行不良
  • 子宮内膜症や子宮筋腫の初期症状

もし「黒くて粘り気が強い血」「塊が多く、臭いもある」などの状態が2日以上続くようなら、一度婦人科を受診することをおすすめします。

生理3日目の黒い経血

3日目以降は、経血の量が減ってきて、排出に時間がかかるようになります。 そのため、黒っぽい経血が出ることが多くなります。

一般的な特徴

  • 血が少しずつ出る
  • 粘度が高めで、色が濃い
  • 身体が冷えているとより黒くなる傾向あり

この時期は、「出し切る力」が弱くなってくるため、黒い経血は珍しくありません。

冷え対策や適度な運動を心がけると排出がスムーズになりやすくなります。

生理4日目以降の黒い経血

4日目〜5日目、そして最終日にかけては経血の量が減り、粘液と混ざって色が濃くなったり、茶色や黒っぽくなることがあります。

これは「体が生理を終える準備をしているサイン」であり、もっともよく見られるパターンです。

特徴的な状態

  • おりものと混ざった茶色〜黒の血
  • 少量が続く
  • においや痛みがなければ基本的に心配なし

黒い経血で気をつけたいサインと病気の可能性

以下のような場合は、通常の範囲を超えている可能性があります。

  • 黒い経血が5日以上続く
  • 強い臭いがある
  • 下腹部痛や腰痛がひどい
  • 月経周期が極端に乱れている

このような症状があるときに考えられる病気:

子宮内膜症

内膜組織が子宮の外にできる病気で、古い血がたまりやすくなります。

子宮筋腫

筋腫が血液の通り道をふさいでしまい、経血の排出が遅くなり黒くなることがあります。

性感染症(クラミジア・淋菌など)

クラミジア感染症、淋菌感染症、梅毒、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、HIV/エイズ、膣トリコモナス症、細菌性腟症、膣カンジダ症

分泌物が混ざって経血の色やにおいに変化が出ることがあります。

気になる症状がある場合は、早めに婦人科での相談をおすすめします。

生理中の黒い経血に不安を感じたら?

自分でできること

  • 生理周期や色の変化をアプリで記録する
  • 冷えない工夫(腹巻き・湯たんぽ・温かい飲み物)
  • 無理せずしっかり休む
  • 血流を促す軽いストレッチやウォーキング

受診の目安

  • 黒い経血が毎回続く
  • 以前と違うにおい・痛みを感じる
  • 不正出血がある
  • 妊娠の可能性があるのに出血している

自分の体の変化を「気のせい」と片づけず、大切なサインとして受け止めましょう。

おわりに

生理中に見られる黒い経血は、ほとんどの場合で自然な現象です。

特に1日目と4日目以降は体の仕組みとして当然の反応と言えます。

ただし、2日目以降も続く場合や、においや痛みなど他の症状を伴うときは、病気のサインである可能性も。

「この色、ちょっとおかしいかも」と思ったら、遠慮せず医療機関を頼ることが、安心への近道です。

あなたの体の声に耳を傾け、自分自身をいたわる時間を大切に。