「最近、生理が2ヶ月も来ていない……」「3ヶ月も経っているのに、全く兆しがない。」…生理がなかなか来ないと、どうしても不安になりますよね。
何か問題が隠れているのではないかと心配になることもあると思います。
生理が遅れることには、いくつかの理由があります。
その中には、心配しなくてもよい場合もありますが、注意が必要な場合もあります。
この記事では、産婦人科医であり心理カウンセラーの立場から、生理が遅れる原因や、どのように対応すべきかをわかりやすく解説します。
不安を抱えるあなたが少しでも安心できるよう、丁寧にお伝えします。
生理が遅れる理由
生理が遅れる原因はさまざまです。まずは、その理由を知ることが大切です。以下にいくつかの主な原因をご紹介します。
ホルモンバランスの乱れ
生理周期を決定づけるのは、主に女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)です。
これらのホルモンが正常に分泌されないと、排卵が遅れ、結果的に生理が遅れることになります。
ホルモンバランスの乱れを引き起こす原因としては、ストレスや食生活の乱れ、睡眠不足などがあります。
これらが長期的に続くと、ホルモンバランスが崩れ、生理周期に影響を与えることがあります。
ストレスと精神的な影響
強いストレスを感じると、脳内の視床下部や下垂体からの信号が乱れ、排卵を妨げることがあります。
精神的なストレスや不安が続くと、生理周期に影響を与え、長期間の遅れが生じることがあります。
試験や仕事、家庭の問題、その他の精神的なプレッシャーが生理不順を引き起こすことは珍しくありません。
体重の変動
急激な体重減少や増加は、ホルモンバランスに影響を及ぼし、生理不順を引き起こすことがあります。
特に、過度なダイエットや過食が原因で体重が急激に変化すると、体は生理周期をコントロールできなくなることがあります。
体重管理や栄養バランスの取れた食事が重要です。無理なダイエットや過食に注意が必要です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、卵巣内に複数の小さな嚢胞ができることで排卵が正常に行われなくなる疾患です。
この疾患があると、ホルモンの分泌が乱れ、周期が不規則になったり、排卵が起こらないことがあります。
PCOSは、若い女性に多く見られる症状で、体毛が濃くなる、ニキビができやすい、体重が増加するなどの症状も現れることがあります。
妊娠
妊娠が原因で生理が来なくなることは最も一般的な原因の一つです。妊娠を望んでいない場合は、最初に妊娠検査薬を試してみると良いでしょう。
生理が来ない期間が長い場合は、まず妊娠の可能性を排除するために検査をすることが重要です。
更年期の兆し
更年期は40代後半から50代前半にかけて訪れることが多いですが、その前兆として生理が不規則になることがあります。
生理が長期間遅れる、または急に生理がこなくなることもあります。
更年期が近づいている場合、ホルモンの分泌が減少し、生理の周期に変化が現れることがあります。
薬の副作用
特定の薬を服用している場合、副作用として生理が遅れることがあります。
例えば、精神的な疾患に使用される抗うつ薬や、ホルモン療法を受けている人などがこれに該当します。
薬の影響を受ける場合は、医師に相談し、対策を講じることが大切です。
生理が遅れて不安なときの対処法
生理が遅れることにはさまざまな原因が考えられますが、どのように対処すべきかについても知っておくことが大切です。
妊娠の可能性を確認する
最初にやるべきことは、妊娠の有無を確認することです。
特に、避妊をしていなかった場合や、避妊方法に不安があった場合は、妊娠検査薬を使って確認しましょう。
早期に妊娠が分かれば、その後の対応もスムーズに進みます。
ストレスを減らす
ストレスが原因で生理が遅れている場合、できるだけ心身をリラックスさせることが大切です。
リラックス法を取り入れることで、自律神経のバランスが整い、ホルモンの分泌が正常に戻る可能性があります。
ヨガや深呼吸、趣味の時間を大切にすることが心の安定にもつながります。
健康的な生活習慣を心がける
体重管理や栄養バランスの取れた食事は、生理不順を改善するために非常に重要です。
規則正しい生活と適度な運動を心がけ、身体の健康を保ちましょう。
婦人科を受診する
もし、2ヶ月以上生理が来ていない、または周期が極端に乱れている場合は、一度婦人科で相談することをおすすめします。
婦人科では、超音波検査や血液検査などを行い、原因を明確にすることができます。
特にPCOSやホルモン異常が疑われる場合は、早めに診察を受けることが重要です。
さいごに
生理が遅れると、つい不安になりがちですが、まずは冷静に原因を探り、自分にできる対処法を試みることが大切です。
あなたの体は、あなたにとってとても大切なものです。
無理せず、自分の体を大切にすることが、不安を減らし、心身のバランスを保つための第一歩です。
生理が遅れた時に感じる不安を少しでも軽くする手助けになれば幸いです。
あなたの体と心を大切にし、無理なく健康的な生活を送ってくださいね。