「生理前になると、理由もなくイライラしたり、急に泣きたくなったりする…。」そんな経験はありませんか?
実はこれは、多くの女性が経験している“心と体の変化”です。
放っておくと、日常生活や人間関係に影響することも。
この記事では、「なぜ生理前に気分の浮き沈みが起きるのか?」という理由をやさしく解説。
さらに、自分でできる対処法・セルフケア・受診の目安まで、しっかりご紹介します。
なぜ生理前に気分が不安定になる?
ホルモンのバランス変化がカギ
生理前は、女性ホルモンのひとつ「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が多く分泌される時期です。
このホルモンは、妊娠の準備を整える大切な働きをしますが、同時に、体温上昇・水分保持・情緒への影響などを引き起こします。
この時期、セロトニン(幸せホルモン)が減少しやすくなり、気分の落ち込みやイライラが起きやすくなります。
つまり、あなたが悪いのではなく、体が「妊娠準備モード」に入っていることで、心も敏感になっているのです。
「PMS」と「PMDD」って知っていますか?
PMS(月経前症候群)とは?
生理前の3~10日間に、体と心にさまざまな不調が出る状態です。
代表的な症状には、以下のようなものがあります。
- イライラする
- 涙もろくなる
- 集中できない
- 気分が沈む
- 頭痛や胸の張り
PMDD(月経前不快気分障害)とは?
PMSよりも重度の心の症状が出るタイプです。
仕事や学業、人間関係に深刻な影響を与える場合は、PMDDの可能性があります。
うつ病に似た症状もあるため、医療機関の受診がとても大切です。
生理前の気分の浮き沈みに悩む人ができる5つの対処法
自分を責めないことから始めよう
「なんでこんなに感情がコントロールできないんだろう…」そんなふうに自分を責めていませんか?
でも、気分が不安定になるのはホルモンバランスの変化による“自然なこと”。
「私は弱いからじゃない」と、まず自分を許してあげることが大切です。
感情の変化を「記録」してみよう
感情の波には、一定の周期があることが多いです。
生理日と合わせて「いつ気分が落ちやすいか」を記録してみましょう。
スマホアプリや手帳で日々の気分を「★」などで記録しておくと、自分のリズムが見えてきます。
予測ができるだけでも、気持ちはずいぶん楽になります。
深呼吸とストレッチで自律神経を整える
気分の浮き沈みがあるとき、自律神経が乱れている場合があります。
そんな時は、深い呼吸や簡単なストレッチが効果的です。
例えば、以下のような方法がおすすめです。
- ゆっくり4秒吸って、8秒かけて吐く呼吸
- 朝起きたときの全身のびストレッチ
- 湯船に浸かってリラックス
無理に運動しなくてもOK。自分にとって心地よいと感じる動きを意識してみてください。
食事と睡眠を整える
ホルモンのバランスを整えるには、毎日の食事や睡眠がとても重要です。
- ビタミンB6(バナナ・マグロ・鶏むね肉など)
- マグネシウム(アーモンド・玄米・ほうれん草)
- トリプトファン(豆腐・納豆・チーズ)
これらの栄養素は、セロトニンの材料になります。
また、睡眠不足は情緒の不安定さを増幅させるため、7〜8時間の睡眠を目指しましょう。
頼れる人に「話す・頼る」こと
1人で抱え込まず、信頼できる人に「ちょっと気分が落ちてるかも」と伝えてみましょう。
家族、友人、パートナー、または医療機関でも構いません。話すことで、自分の気持ちを客観視できたり、気持ちが軽くなることもあります。
「もしかして私、PMS?」と思ったら
こんなときは婦人科へ相談を
以下のような場合は、一度婦人科に相談してみましょう。
- 気分の落ち込みが日常生活に支障をきたしている
- 周囲との関係がギクシャクする
- 自分でもコントロールできない不安が続く
- 「もう嫌だ」と感じることがある
漢方薬や低用量ピル、カウンセリングなど、あなたに合ったケアを一緒に考えることができます。
心がラクになる一言メッセージ
あなたの心のゆらぎは、あなたの弱さではありません。毎月、体の中でホルモンの波と闘っているからこそ起こる、体からのサインです。
ちゃんと感じているあなたは、とても健気で、まっすぐで、繊細です。
だからこそ、無理をせず、自分のペースで、自分をいたわる時間を持ってくださいね。
おわりに
生理前の気分の浮き沈みは、女性の多くが経験するごく自然なものです。
「我慢しなきゃ」と思わなくても大丈夫。
この記事が、あなたの心を少しでも軽くし、日々を心地よく過ごすヒントになればうれしいです。
もし心や体に違和感を感じたら、ひとりで抱え込まず、医師やカウンセラーに相談してくださいね。