鎮痛剤が効かないほどの生理痛に悩んでいる人は要チェック

毎月訪れる生理のたびに、強い腹痛や腰痛に苦しみ、「鎮痛剤を飲んでも効かない…」「このまま学校や仕事に行けそうにない…」そんな悩みを抱えていませんか?

市販の薬で痛みがコントロールできないほどの生理痛は、単なる“個人差”では済まされないこともあります。

この記事では、鎮痛剤が効かないほどの生理痛の原因や考えられる疾患、そして自宅や医療機関でできる対処法まで、わかりやすく詳しく解説します。

毎月のつらさを少しでも軽減したい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

鎮痛剤が効かない生理痛とは?

生理痛は、子宮が収縮することで感じる下腹部の痛みです。

多くの人は市販の鎮痛剤(ロキソニンやイブなど)を服用することである程度痛みを和らげることができますが、中には薬を飲んでも効かない、あるいは数時間しか効かずすぐにぶり返すような強い痛みを感じる人もいます。

このような状態は「重度の月経困難症」と呼ばれることもあり、放置すると日常生活に支障をきたすばかりか、将来的な健康リスクにつながる恐れもあるため、早めの対処が重要です。

鎮痛剤が効かないほど痛い原因は?考えられる5つの背景

子宮内膜症

生理のたびに子宮の内膜に似た組織が子宮以外の場所で増殖し、痛みや不妊の原因になる病気です。

鎮痛剤では根本的な痛みの原因が解消されず、効きにくいことがあります。

子宮腺筋症

子宮の筋肉の中に内膜のような組織が入り込んでしまう病気で、月経のたびに強い痛みを伴います。

子宮が大きくなることもあり、圧迫による腰痛や下腹部痛がひどくなるのが特徴です。

子宮筋腫

良性の腫瘍である子宮筋腫が生理痛を悪化させる場合もあります。

特に大きな筋腫や、粘膜下筋腫と呼ばれる子宮内膜に近い場所にできた筋腫は、痛みだけでなく出血量の増加にもつながります。

PMS(月経前症候群)・PMDD

生理前〜生理中にかけて心身にさまざまな不調が起こるPMSや、より重度のPMDD(PMD:月経前不快気分障害)も、生理痛の悪化と関係します。

精神的ストレスが痛みを強めているケースも少なくありません。

痛みの感受性が高い・ストレスとの関連

ホルモンバランスや精神的ストレス、睡眠不足などが影響し、通常より痛みに敏感になっている可能性もあります。

特に自律神経の乱れが痛みの感覚を増幅させることがあります。

自宅でできるセルフケア

薬が効かないからといって、我慢し続けるのはNGです。まずは自宅でできるケアから始めてみましょう。

温める

お腹や腰まわりを温めることで血行がよくなり、子宮の収縮による痛みをやわらげることが期待できます。

使い捨てカイロや温熱パッド、湯船に浸かるのもおすすめです。

ストレッチや軽い運動

痛みがひどいと動くのもつらいですが、可能な範囲でストレッチやウォーキングをすると、血行が促進されて痛みがやわらぐ場合があります。

食生活の見直し

カフェインや甘いもの、脂っこい食事は生理痛を悪化させることがあります。鉄分・カルシウム・ビタミンB群などを意識したバランスのよい食事を心がけましょう。

漢方薬の活用

「当帰芍薬散」や「加味逍遥散」など、体質に合わせた漢方薬が生理痛に効果を発揮する場合もあります。

市販でも購入できますが、医師や薬剤師に相談すると安心です。

医療機関で相談すべきケース

生理痛があまりにひどい場合や、毎回鎮痛剤を多量に服用している方は、必ず婦人科を受診しましょう。

内診や超音波検査によって、子宮や卵巣の異常を調べてもらえます。

ピルの処方

低用量ピルやLEP製剤(保険適用)は、生理痛を軽減する効果があり、長期的な痛みのコントロールにも有効です。

排卵を抑えることで痛みの原因を減らせるため、多くの女性が利用しています。

子宮内デバイス(IUS)

ミレーナなどのホルモン放出型子宮内デバイスは、重い生理痛や月経過多に有効です。

医師の判断のもとで装着され、長期間にわたり症状の軽減が期待できます。

学校や職場にどう伝える?

生理痛がひどくて欠席や早退を繰り返してしまうと、まわりの目が気になったり、説明に困ったりすることがあります。

正直に「生理が重くて動けない」と伝えるのが難しい場合は、「体調不良で病院を受診します」「婦人科の通院があります」など、やわらかい表現でも大丈夫です。

無理をして登校・出勤することで体調をさらに崩すよりも、自分の体を第一に考えて行動しましょう。

まとめ

生理痛が重いのは恥ずかしいことでも弱いことでもありません。

痛みの感じ方や体質には個人差があるため、無理して耐えるのではなく、自分に合った対処法を見つけることが大切です。

毎月のように鎮痛剤が効かない痛みに苦しんでいるなら、それは“普通”ではありません。

医療機関に相談することで改善の糸口が見つかることも多いので、まずは一歩踏み出してみてください。