低用量ピルを飲み忘れてしまった…しかも2日、3日と続けて…
そんな時、不安で頭が真っ白になってしまう方は多いでしょう。
避妊のために飲んでいるピル。飲み忘れが続くと「妊娠しちゃったかも」「どう対応したらいいの?」と心配になるのも無理はありません。
この記事では、産婦人科医の立場から、低用量ピルを2日、3日飲み忘れたときの正しい対処法、妊娠リスク、そして今後の予防方法についてやさしく解説していきます。
今、まさに不安を抱えているあなたが、この記事を読んで少しでも安心できますように。
なぜ毎日決まった時間に飲むの?
低用量ピルは、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を含んだ薬で、排卵を抑えたり、子宮内膜の変化により着床を防ぐなどの避妊効果があります。
この効果を安定して得るためには、毎日決まった時間に1錠ずつ飲み続けることがとても重要。
飲み忘れによってホルモン濃度が不安定になると、排卵が起こってしまったり、避妊効果が低下するリスクがあります。
特に2日以上連続での飲み忘れは要注意。
次の項目から、具体的な飲み忘れ時の対応を詳しく解説します。
飲み忘れた日数に応じた対処法
1日飲み忘れた場合
- 気づいた時点ですぐに1錠服用します。
- 当日の分は通常通りの時間に服用します(つまり1日に2錠飲むことになります)。
- 基本的に避妊効果は保たれますが、不安がある場合は7日間は他の避妊法(コンドームなど)を併用しましょう。
2日間連続で飲み忘れた場合
- 飲み忘れた2日分のうち、最後に飲み忘れた分を「気づいたとき」に1錠だけ服用します。
- その日分のピルは、通常通りの時間に服用します(この日も1日に2錠服用することになります)。
- 前日に飲み忘れた1錠は、飲まずに破棄します。
- 7日間はコンドーム併用などの追加避妊が必要です。
3日以上飲み忘れた場合
- 今のシートの服用は中止し、新しいシートを次の月経開始からスタートします。
- 飲み忘れが起きた周期は、避妊効果が大きく低下している可能性があります。
- 性交渉があった場合、緊急避妊(アフターピル)を検討する必要があります。
妊娠の可能性はある?チェックポイント
飲み忘れが2日以上ある場合、妊娠の可能性がゼロではありません。
以下のポイントをチェックしてみてください。
- 飲み忘れの前後に避妊せず性交渉があったか
- 飲み忘れたのがシートの何週目だったか(1週目は特に妊娠リスクが高い)
- 不正出血や体調の変化があるか
少しでも不安がある場合は、妊娠検査薬を使うか婦人科で相談しましょう。
緊急避妊(アフターピル)は必要?
飲み忘れの直後に避妊なしの性交があった場合は、アフターピルの使用を検討しましょう。
アフターピルには以下の種類があります。
- レボノルゲストレル錠(72時間以内に服用)
- エラワン(ウリプリスタール酢酸エステル)(120時間以内に服用)
できるだけ早く服用した方が効果が高いため、心配であれば早めに婦人科を受診してください。
飲み忘れを防ぐには?続けるコツと工夫
飲み忘れを繰り返さないために、以下のような工夫がおすすめです。
スマホのアラームを活用する
毎日決まった時間にアラームを設定し、習慣化をサポートします。
ピルケースやお薬カレンダーを使う
視覚的に「今日飲んだか」が確認できるようにすることで、うっかりミスを防げます。
飲みやすい時間帯に設定する
通学・通勤前や就寝前など、日常のルーティンに組み込むのが効果的です。
彼との関係で不安になるあなたへ
「ピルを飲んでるから大丈夫だと思ってた」 「言い出しにくくて、飲み忘れを彼に言えてない」
そんな気持ちを抱えている方も少なくありません。
ピルの避妊効果は高いですが、100%ではありません。
特に飲み忘れがあると効果はぐんと下がります。
彼としっかり話し合い、コンドーム併用などの方法も含めて、ふたりで避妊を考えることが大切です。
あなた一人で抱え込まなくていいんです。 不安な気持ちは、婦人科やカウンセラーに相談することで、ぐっと軽くなることもあります。
おわりに
低用量ピルは、正しく飲めば高い避妊効果が得られる便利なお薬です。
でも、飲み忘れが続くと効果が下がるだけでなく、不安や自己嫌悪につながってしまうことも。
今回のように2日・3日飲み忘れてしまったときも、正しい対応を知っていれば、妊娠のリスクを減らし、落ち着いて行動できます。
「また同じことを繰り返さないように」 そう思えたあなたは、もうすでに前に進み始めています。
自分の身体を守るために、正しい知識と少しの工夫を、ぜひ日常に取り入れてみてくださいね。