ある日突然、陰部にズキッとした鋭い痛みを感じて不安になったことはありませんか?
デリケートゾーンの痛みは人に相談しづらく、原因がわからないまま放置してしまうこともあります。
しかし、その痛みには思わぬ原因が隠れている場合もあるため、早めの対処が重要です。
本記事では、「陰部に突然の痛みが走る」場合に考えられる原因と、それぞれの対処法について詳しく解説します。
陰部の痛みとはどんな症状?
陰部に感じる痛みといっても、痛みの種類は人それぞれです。
ズキッとした鋭い痛み、ジンジンするような鈍痛、ヒリヒリと焼けるような刺激、触れただけで痛いといった症状まで様々です。
痛みが起こるタイミングも、排尿時や下着との摩擦時、何もしていなくても突然感じるなど多岐にわたります。
まずは自分の痛みの特徴を冷静に把握することが大切です。
陰部が痛い原因
毛穴の炎症(毛嚢炎)
カミソリや毛抜きなどでアンダーヘアの処理を行ったあと、毛穴に細菌が入り込んで炎症を起こすことがあります。
これを「毛嚢炎(もうのうえん)」といい、ニキビのように赤く腫れ、触ると痛みを感じるのが特徴です。
症状が軽ければ自然に治ることもありますが、化膿したり広がったりすることもあるため、強い痛みが続く場合は皮膚科や婦人科で診てもらいましょう。
バルトリン腺炎・バルトリン腺嚢胞
陰部の左右にあるバルトリン腺は、性交時に潤滑液を分泌する重要な器官です。
しかし、このバルトリン腺に細菌が入り込み炎症を起こすと、腫れて強い痛みを伴うことがあります。
初期段階では違和感程度ですが、進行すると歩くのも困難なほど痛むこともあります。
バルトリン腺炎は抗生物質の服用で改善することが多いですが、膿がたまった嚢胞ができた場合は、切開して排膿する処置が必要な場合もあります。
ヘルペスなどの性感染症(STD)
性行為の経験がある場合、性感染症が原因となることもあります。
特に多いのが「性器ヘルペス」で、水ぶくれや潰瘍ができる前にズキズキした痛みや違和感を感じるのが特徴です。
発熱やリンパの腫れを伴うこともあり、再発しやすいのが厄介な点です。
性器ヘルペスに感染している場合は、抗ウイルス薬による治療が必要です。
性感染症は放置すると慢性化したりパートナーに感染させたりするリスクがあるため、早めの検査と治療が重要です。
膣カンジダ症
膣内の常在菌であるカンジダ菌が異常繁殖すると、強いかゆみとともに、ヒリヒリするような痛みや灼熱感を伴うことがあります。
とくに、膣周辺が乾燥したり、締め付けの強い下着を着用している場合に悪化しやすいです。
市販薬でも対応可能なケースがありますが、繰り返す場合は婦人科での検査と治療が必要になります。
抗真菌薬による治療で症状は改善します。
排卵痛・月経前後の関連痛
生理周期の中で排卵のタイミングや月経前後に、子宮の収縮に伴って陰部に痛みを感じることもあります。
これを「排卵痛」や「月経関連痛」と呼びますが、下腹部の痛みと同時に陰部にも違和感を覚える人がいます。
鎮痛剤やホルモンバランスを整える薬で症状は和らぐことが多いため、婦人科で相談するのがおすすめです。
尿路感染症・膀胱炎
膣と尿道口が近いため、膣周辺の細菌が尿道に入り込み、膀胱炎などを引き起こすことがあります。
排尿時の痛みや残尿感、頻尿などの症状に加えて、陰部にズーンとした痛みを感じることもあります。
水分を多くとること、早めに泌尿器科で治療を受けることで悪化を防げます。
自分でできる応急処置とケア方法
陰部に突然の痛みを感じた場合、まずは無理に触ったりこすったりせず、清潔を保つことが大切です。
入浴時は刺激の少ないソープで優しく洗い、熱すぎるお湯を避けてください。また、通気性のよい下着を着用し、締め付けすぎない服装を選ぶようにしましょう。
痛みが強いときや数日続く場合は、自己判断せず婦人科などの専門医を受診することをおすすめします。
受診の目安と伝え方のポイント
医療機関を受診する際は、痛みの発生したタイミング、痛みの種類や場所、他の症状(おりものの変化、かゆみ、発熱など)についてメモしておくと診察がスムーズです。
恥ずかしいと感じるかもしれませんが、デリケートゾーンのトラブルは女性にとって珍しいことではありません。
痛みを我慢せず、安心して医師に相談することが大切です。
まとめ
陰部に突然痛みが走ると不安になるものですが、その多くは適切な対処で改善することができます。
原因はさまざまで、自分では判断が難しいケースもあります。
症状が続く、悪化する場合は早めに婦人科や皮膚科を受診して、安心できる環境で治療を受けましょう。
デリケートゾーンの痛みは、心と体のサインです。自分を大切にするためにも、正しい知識と行動で不安を減らしていきましょう。