「彼氏がゴム(コンドーム)をつけてくれない」――そんな悩みを抱えていませんか?
性行為において、コンドームは妊娠の予防だけでなく、性感染症(STI)を防ぐ大切な手段です。
にもかかわらず、それを拒否されることで「愛されていないのかも」「自分が我慢するしかないの?」と、心が揺らいでしまう方も少なくありません。
この記事では、産婦人科医であり心理カウンセラーの立場から、コンドームを拒否する男性心理や背景を分析しながら、どう対処すればよいかを医学的・心理的に丁寧に解説します。
あなたが安心して自分を大切にできる関係を築けるよう、心を込めてお伝えします。
なぜゴムをしてくれないの?
快感の低下を理由にするケース
多くの男性が「ゴムをすると気持ちよくない」「勃起が続かない」といった理由で使用を拒む傾向にあります。
しかし、それは単なる感覚の違いであり、あなたの健康や安心を犠牲にしてよい理由にはなりません。
信頼してるから必要ない、という誤解
「君のことを信頼してるから、ゴムはいらないよ」と甘い言葉で誘われるケースもあります。
一見ロマンチックに聞こえるかもしれませんが、妊娠や感染症リスクを考えれば、信頼とは関係なく対策は必要です。
性教育の不足や偏見
コンドーム使用への抵抗感は、性教育の不足や偏見が原因となることも。 「避妊は女性の責任」と思い込んでいる男性も少なくありません。
このような背景を理解することが、冷静な話し合いにつながります。
自分を守るための選択肢
コンドームの使用はあなたの権利
性行為は、お互いが対等な立場で合意し、安全であることが前提です。
コンドームの使用を求めることは、わがままでも恥ずかしいことでもありません。 それは、あなた自身の体と心を守るための当然の権利です。
「断る」ことも選択肢
ゴムをしてくれない状況で性行為をすることに、心のどこかで抵抗や不安を感じているなら、それはあなたの大切な直感です。
「今のままではできない」「不安を感じながら行為はしたくない」と、きちんと意思表示することも重要です。
あなたの安心や信頼が軽んじられる関係は、健康的とは言えません。
緊急避妊や感染症検査も視野に
もし望まない性行為が起きてしまった場合には、早急に緊急避妊(アフターピル)の検討や、性感染症検査を受けることも大切です。
妊娠や病気のリスクを減らすための行動は、恥ずかしいことでも相手に悪いと思うようなことではありません。
必要であれば医療機関やオンライン診療も利用しましょう。
話し合いのコツ:感情ではなく事実を伝える
自分の気持ちを正直に伝える
「あなたがゴムをしてくれないと、とても不安になる」と、自分の気持ちにフォーカスして伝えましょう。
相手を責めるのではなく、自分の感情や心配を共有する形にすると、相手も防衛的にならず話を聞きやすくなります。
医学的なリスクも伝える
妊娠の可能性だけでなく、クラミジアやHIVなどの性感染症は、コンドームをしないことで感染リスクが大きく高まります。
性感染症の検査を一緒に受けようと提案するのも効果的なアプローチです。
相手の意見も聞く
「なぜコンドームをつけたくないのか」を聞いてみるのも大切です。
そこから相手が感じている違和感や不安を理解し、歩み寄る余地が生まれることもあります。
「ふたりの関係性」を再確認する
性に対する価値観のズレは、ふたりの関係全体に影響します。
お互いが安心して話し合いができる関係なのか、性以外の部分でも対等に支え合えているか、広い視野で見つめ直すことも大切です。
それでも変わらない場合の対処法
無理に我慢しない
どれだけ話し合っても、相手があなたの気持ちや安心を無視し続けるなら、それは不健全な関係の可能性もあります。
性行為において「嫌なことを無理に受け入れる関係」は、心身ともにあなたを傷つけてしまいます。
支援機関や相談窓口を活用しよう
どうしても話し合いが難しい、感情的なやり取りになる、自分だけでは判断できない——そんなときは、第三者の支援を受けることも一つの方法です。
性に関する相談窓口や、心の悩みに寄り添うカウンセリングサービスも多数あります。誰かに話すことで問題が整理され、前に進むきっかけになることもあります。
自分を大切にする関係性を築こう
本当にあなたを大切に思っている相手なら、あなたが不安や不快に感じることを真剣に受け止め、話し合いに応じてくれるはずです。
性の場面は、愛情や信頼が試される機会でもあります。
「自分を守ること」と「相手と向き合うこと」は両立できます。
そして、あなたが安心できる関係こそが、心から満たされるパートナーシップの第一歩です。
まとめ
- コンドームを拒否されることは深刻な問題です
- 性行為はお互いの合意と安心が前提です
- 不安を感じたら、その気持ちを無視しないで
- 話し合いの中で、感情ではなく事実と気持ちを伝える
- 我慢せず、あなたの安心を最優先に
- それでも解決しない場合は、距離を取ることも自分を守る選択肢
- 必要であれば、相談窓口や医療機関に頼ってください
あなたの体も心も、誰かの都合で犠牲にされるべきではありません。
まずは「自分を大切にしていいんだ」と、自分自身に許可を出すことから始めてみてください。
あなたが安心できる関係を築けるよう、応援しています。